
古い家は貸せる?空き家を賃貸に出す前の確認ポイント・修繕・手順を解説
誰も住んでいない古い空き家を、このまま放置してよいのか、それとも賃貸として活用した方がよいのか迷っていませんか。
固定資産税や草木の管理、建物の老朽化など、空き家を所有しているだけでも一定の費用や手間がかかります。一方で、賃貸として活用できれば、家賃収入を得ながら建物を有効活用できる可能性があります。
結論からいうと、築年数が古い家でも、建物の安全性や設備、権利関係などに問題がなければ、賃貸住宅として活用できる可能性があります。
ただし、「古いから貸せない」「最低限リフォームすれば貸せる」と一律に判断できるものではありません。建物の劣化状況や耐震性、必要となる修繕費、周辺の家賃相場な
どを確認し、賃貸として成り立つかどうかを総合的に判断することが重要です。
また、相続した古い家の場合は、建物の状態だけでなく、相続登記や共有名義などの権利関係を整理する必要があります。将来的に売却や自己利用を考えている場合には、普通借家契約と定期借家契約のどちらを選ぶかなど、貸し方についても事前に検討しておきたいところです。
そこで今回は、古い家を貸す前に確認しておきたいポイントをはじめ、築古住宅の建物・設備のチェック方法、必要な修繕、賃貸に出すまでの手順、契約形態、費用・税金、公的支援制度まで、空き家所有者の立場から分かりやすく解説します。
「この古い家は貸せるのだろうか」「どこまで修繕すればよいのか」と悩んでいる方は、空き家を今後どのように活用するか判断するための参考にしてください。
古い空き家を貸す前に押さえたい基本確認ポイント
古い空き家を賃貸に出すと、空き家の状態で発生している固定資産税や維持管理費を、家賃収入で一部賄える可能性があります。
人が居住することで換気や清掃、設備の使用機会が増え、不具合にも気付きやすくなるなど、適切な管理につながる面があります。
一方で、賃貸として貸し出す以上、入居者からの修繕要望への対応や設備更新など、一定の管理コストや手間が発生します。
このように、空き家を賃貸にする前に、収入と支出、手間のバランスを整理しておくことが重要です。
次に、空き家を賃貸に出す前には、所有者としての権利関係を必ず整理しておく必要があります。
具体的には、相続で取得したまま相続登記をしていない場合や、複数人の共有名義になっている場合には、誰が賃貸人となるかを明確にしなければなりません。
なお、相続登記は2024年4月1日から義務化されています。不動産を相続したことを知った日などから原則3年以内に相続登記を申請する必要があり、制度開始前に相続した不動産についても、相続登記が済んでいない場合は義務化の対象となります。相続した古い家を貸したい場合は、賃貸募集を始める前に登記名義を確認し、必要に応じて相続登記を進めておくことが大切です。
土地について地代の支払いがある借地権付き建物かどうか、底地と建物の所有者が分かれていないかといった点も確認が欠かせません。
これらの権利関係に不明点があると、賃貸借契約の締結や更新の場面でトラブルにつながるおそれがあります。
さらに、建物自体の老朽化や管理不全の程度を把握しておくことも重要です。
外壁や屋根の破損、長期間の放置による雑草やごみの散乱などがあると、近隣への安全・景観上の影響が懸念されます。
空家等対策の推進に関する特別措置法では、そのまま放置すれば「特定空家等」になるおそれがある空き家を「管理不全空家等」として、市区町村が指導や勧告を行える仕組みが設けられています。
また、倒壊など著しく保安上危険となるおそれがある状態や、著しく衛生上有害となるおそれがある状態などに該当する空き家は、「特定空家等」として助言・指導や勧告、命令などの措置の対象となる場合があります。
「管理不全空家等」または「特定空家等」として市区町村から勧告を受けると、その敷地は固定資産税等の住宅用地特例の対象外となります。
古い家を貸すかどうかまだ決めていない場合でも、放置を続けることで建物の劣化や税負担につながる可能性があるため、早めに建物の状態を確認し、適切な管理や活用方法を検討することが大切です。

| 確認項目 | 主な内容 | 見落とした場合の影響 |
|---|---|---|
| 収支バランス | 家賃収入と維持費の比較 | 想定外の赤字発生 |
| 権利関係 | 名義人や相続登記の確認 | 契約上の問題や紛争につながる可能性 |
| 建物状態 | 老朽化や危険度の把握 | 管理不全空家等・特定空家等として措置を受ける可能性 |
築古住宅を賃貸にできるか見極める建物チェックポイント
築年数が古い空き家でも、建物の状態によっては十分に賃貸活用が可能です。
判断の際は、外壁や屋根のひび割れ、雨漏り跡の有無、設備や配管の劣化状況など、具体的な箇所ごとに確認することが大切です。
特に、水回りの給排水管や電気配線は、漏水や漏電といった事故につながるおそれがあるため、専門家の点検を受けることも検討したいところです。
また、床下の湿気が多い住宅ではシロアリ被害が進行している場合があるため、床の沈みやきしみなど小さな変化にも注意して確認することが重要です。
築古住宅の安全性を検討するうえでは、建築時期と耐震基準の関係を理解しておく必要があります。
国土交通省などの資料では、建築基準法施行令の改正により、昭和56年6月1日以降に建築確認を受けた建物に、新しい耐震基準が適用されているとされています。
一方で、昭和56年5月31日以前に建築確認を受けた住宅は、現在の基準と比べて耐震性能が十分でない可能性が指摘されており、耐震診断や必要に応じた耐震改修を行うことが推奨されています。
築年数だけで賃貸の可否を決めるのではなく、図面や確認済証などで建築時期を確認し、耐震性に不安がある場合は専門家による診断を踏まえて検討することが安心につながります。
居住用として古い家を貸す場合は、構造だけでなく、日常生活に支障がない最低限の設備や衛生・防火面も整えることが大切です。
具体的には、台所やトイレ、入浴設備が安全に使用できること、給湯や換気設備が適切に機能していること、漏電遮断器の設置や火災警報器の作動確認などが重要なチェックポイントになります。
老朽化が進んでいる箇所をどこまで修繕するかは、想定する入居者層や賃料水準とのバランスを踏まえて判断する必要があります。
まずは、現状で不衛生または危険と考えられる部分を洗い出し、優先順位を付けて改修計画を立てることで、築古住宅でも安心して暮らせる賃貸物件として整えていくことができます。

■古い家を貸す前の建物チェックリスト
古い家を貸す前には、目に見える劣化だけでなく、給排水や電気設備、床下など普段は確認しにくい部分も含めて状態を把握しておくことが大切です。
まずは、次の項目を目安に建物の状態を確認してみましょう。
| チェック項目 | 確認するポイント |
|---|---|
| 屋根・外壁 | 大きなひび割れや破損、雨水が入り込む箇所がないか |
| 雨漏り | 天井や壁に雨染み、カビ、変色などがないか |
| 床・床下 | 床の沈みや傾き、きしみ、床下の湿気などがないか |
| シロアリ | 柱や床下などにシロアリ被害の兆候がないか |
| 給排水設備 | 水漏れや詰まり、配管の著しい劣化がないか |
| 電気設備 | 配線や分電盤、コンセントなどに異常がないか |
| 水回り・給湯 | キッチン、トイレ、浴室、給湯器などが正常に使用できるか |
| 換気設備 | 浴室やキッチンなどの換気設備が正常に作動するか |
| 防火設備 | 住宅用火災警報器など必要な設備が適切に設置・作動しているか |
| 耐震性 | 建築時期や建築関係書類を確認し、耐震性に不安がないか |
| 増改築部分 | 増築や改修の履歴、建築関係書類などを確認できるか |
すべてを所有者自身で判断する必要はありません。雨漏りや構造部分、耐震性、電気・給排水設備などに不安がある場合は、建築士や施工業者などの専門家による点検も検討しましょう。
また、築年数が古いという理由だけで、すべての設備を新品に交換したり、大規模なリフォームを行ったりする必要があるとは限りません。安全性や衛生面に関わる部分を優先し、想定家賃や入居者ニーズとのバランスを見ながら修繕範囲を決めることが重要です。
古い家を貸すまでの基本的な流れ
特に築古住宅では、相続登記などの権利関係が整理されていなかったり、長期間使用していないことで建物や設備に不具合が生じていたりする場合があります。先に修繕を行ってから賃料相場を調べた結果、想定していたほどの家賃収入が得られないというケースも考えられます。
そのため、まず権利関係と建物の状態を確認し、必要な修繕費と想定できる家賃を比較したうえで、どのような方法で貸すのかを決めていくとよいでしょう。
古い家を貸すまでの基本的な流れは、次のとおりです。

| 手順 | 確認・実施すること |
|---|---|
| ① 権利関係を確認する | 登記名義、相続登記、共有名義、借地権などを確認する |
| ② 建物・設備を点検する | 屋根、外壁、雨漏り、給排水、電気、水回り、耐震性などを確認する |
| ③ 必要な修繕を整理する | 安全性や生活に必要な部分を優先し、修繕箇所と概算費用を把握する |
| ④ 家賃相場と収支を確認する | 周辺の類似物件を参考に想定家賃を調べ、修繕費や維持費とのバランスを確認する |
| ⑤ 貸し方・契約形態を決める | 普通借家契約、定期借家契約、DIY型賃貸借などから物件に合った方法を検討する |
| ⑥ 修繕・清掃・設備整備を行う | 入居者が安全に生活できる状態を整え、必要に応じてクリーニングなどを実施する |
| ⑦ 管理方法や入居条件を決める | 自主管理か管理会社への委託かを決め、家賃や入居条件などを整理する |
| ⑧ 入居者を募集して契約する | 募集条件を決定し、入居審査を経て賃貸借契約を締結する |
築年数が古いからといって、必ずしも大規模なリフォームが必要とは限りません。想定する入居者や賃料水準によって必要な修繕内容は変わるため、費用をかける部分と現状を生かす部分を整理しながら賃貸化を進めることが重要です。
また、一般的な賃貸だけでなく、住宅確保要配慮者向けの住宅として活用するなど、空き家の状態や立地に応じて貸し方の選択肢を広げることもできます。
次の章では、普通借家契約や定期借家契約、DIY型賃貸借など、古い家を賃貸活用する際に考えられる主な契約形態と活用方法について見ていきましょう。
古い家を賃貸活用する主なパターンと契約形態の違い
古い空き家を賃貸に出す場合でも、契約形態によって活用の仕方やリスクの大きさが変わります。
代表的なものとして、契約期間満了後も更新されることがある普通借家契約と、契約期間の満了により更新されることなく終了する定期借家契約があります。
普通借家契約は、貸主からの更新拒絶には「正当事由」が必要とされる一方、定期借家契約は書面による契約と事前説明が必要となるものの、契約期間の満了によって更新されることなく終了する仕組みです。
長く安定した入居を想定するのか、将来的に売却や自己利用などを予定して一定期間のみ活用したいのかを踏まえて、どちらが自分の空き家に合うか整理しておくことが大切です。
また、古い家を一定期間だけ活用したい場合には、利用目的や事情に応じて定期借家契約などを検討する方法があります。
一方、「一時使用賃貸借」は、契約期間が短いという理由だけで該当するものではありません。建替えまでの仮住まいなど、契約の目的や事情から一時的な使用であることが明らかな場合に用いられるもので、通常の居住用賃貸借とは取扱いが異なります。
そのため、単に「短期間だけ貸したい」という理由で一時使用賃貸借を選ぶのではなく、契約の目的や実態を踏まえて判断することが重要です。
さらに、住宅の確保に配慮が必要な方の住まいとして、空き家を住宅セーフティネット制度の登録住宅として活用する方法もあります。
築古住宅であっても、耐震性や床面積などの登録基準を満たせば、セーフティネット住宅として登録できる可能性があります。一般的な賃貸だけでなく、住宅確保要配慮者の住まいとして活用することも、古い空き家の活用方法の一つです。
築古の空き家では、改修費の負担が大きく、貸主だけですべてを行うことが難しい場合も少なくありません。
このようなとき、国土交通省が契約書式例やガイドブックを公表しているDIY型賃貸借を参考に、入居者の意向を反映した改修と費用負担の分担を検討する方法があります。
例えば、貸主は建物の安全性に関わる部分を中心に修繕し、それ以外の内装などについては、貸主の承諾のもとで入居者が費用を負担して手を加えるといった方法が考えられます。
そのため、古い家だからといって、貸主が費用を負担して全面的にリフォームしなければ賃貸できないとは限りません。建物の安全性や生活に必要な設備を優先して整えながら、物件の状態や想定する入居者に応じて、どこまで修繕するかを判断することが大切です。
DIY型賃貸借を取り入れる場合は、改修できる範囲や費用負担、改修部分の所有権、退去時の原状回復などについて、あらかじめ貸主と入居者の間で明確にしておくことが重要です。
なお、通常の賃貸借における退去時の原状回復についても、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」などを参考にしながら、貸主・入居者それぞれの負担範囲を確認しておきましょう。
古い家の賃貸活用では、建物の状態だけでなく、「どのくらいの期間貸したいのか」「将来的に売却や自己利用を予定しているのか」「どのような入居者を想定するのか」といった所有者の方針によって適した契約・活用方法が異なります。
それぞれの特徴を理解したうえで、自分の空き家に合った方法を選ぶことが大切です。

| 活用パターン | 主な契約形態・制度 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 長期居住向け賃貸 | 普通借家契約 | 長く安定した入居を想定する場合 |
| 期間限定の活用 | 定期借家契約 | 将来の自己利用や売却などを予定している場合 |
| 一時的な利用 | 一時使用賃貸借 | 利用目的・事情から一時使用であることが明らかな場合 |
| 改修を伴う活用 | DIY型賃貸借 | 入居者による改修を取り入れたい場合 |
| 住宅確保要配慮者向けの活用 | セーフティネット住宅への登録等 | 住宅確保要配慮者の受け入れを検討する場合 |
空き家所有者が押さえたい費用・税金・公的制度のポイント
古い空き家を賃貸として活用するか、何もせずに保有し続けるかで、必要となる費用の種類や総額は大きく変わります。
賃貸化を選ぶ場合は、修繕費や設備整備費、火災保険料など、初期費用と維持費の両方を見積もることが大切です。
一方で、空き家のまま放置すれば、建物の老朽化や管理不全が進み、将来的な修繕費が増えたり、売却や賃貸への活用が難しくなったりするおそれがあります。
そのため、空き家の状態と将来の利用方針を早めに整理し、想定できる家賃収入と必要な費用を比較しながら、賃貸活用するかどうかを検討することが重要です。賃貸による収入は原則として不動産所得の収入となり、賃貸経営に必要な一定の経費を差し引いて不動産所得を計算します。所得の状況に応じて所得税や住民税の課税対象となり、青色申告を選択するかどうかなどによって税務上の取扱いも変わります。
賃貸経営に必要な一定の費用は必要経費として扱える場合があり、青色申告を選択するかどうかなどによって税務上の取扱いも変わります。
また、空き家を適切に管理せず放置している場合には、土地にかかる固定資産税等にも注意が必要です。
空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく「管理不全空家等」または「特定空家等」として市区町村から勧告を受けると、その敷地は固定資産税等の住宅用地特例の対象外となります。
そのため、税務面への影響も踏まえながら、空き家を長期間放置せず、早めに適切な管理や活用方法を検討することが大切です。
古い空き家を賃貸活用する際には、国や自治体の補助制度を利用できるかどうかも重要な検討材料になります。
住宅セーフティネット制度では、住宅確保要配慮者の入居を受け入れる「セーフティネット住宅」の登録制度が設けられています。また、2025年10月からは、居住支援法人などと大家が連携し、入居中の安否確認や見守り、福祉サービスへのつなぎなどを行う住宅について、一定の基準を満たす場合に「居住サポート住宅」として認定する制度も始まっています。
セーフティネット住宅は「登録」、居住サポート住宅は「認定」と、それぞれ制度上の手続きが異なる点に注意が必要です。
2026年度には、空き家などを住宅確保要配慮者専用のセーフティネット住宅や居住サポート住宅として活用するための改修費を支援する制度も実施されています。対象となる工事や補助率、補助上限額などには要件があるため、実際に利用を検討する場合は、国土交通省や物件所在地の自治体が公表している最新情報を確認することが大切です。
また、自治体によっては、住宅確保要配慮者向け住宅の改修費補助や家賃低廉化に関する支援などを実施している場合があります。ただし、利用できる制度や対象住宅、補助額などは地域によって異なります。
古い家だからといって、すべての物件で補助制度を利用できるわけではありません。建物の状態や登録・認定要件、想定する入居者などを確認したうえで、利用できる制度があるかを調べることが重要です。
公的支援を利用できれば、築古住宅の改修や賃貸活用に伴う所有者の負担を軽減しながら、空き家を住宅確保要配慮者の住まいとして活用できる可能性があります。

| 項目 | 賃貸活用する場合 | 空き家を放置する場合 |
|---|---|---|
| 初期費用の考え方 | 修繕費や設備整備費などが必要 | 当面の支出を抑えられても、劣化により将来の修繕負担が増える可能性 |
| 税金への影響 | 賃貸による所得は所得税・住民税の課税対象となる | 管理不全空家等・特定空家等として勧告を受けると住宅用地特例の対象外となる可能性 |
| 公的制度の活用 | 条件を満たせば改修費や家賃低廉化などの支援を利用できる場合がある | 賃貸活用を前提とした支援制度は利用しにくい |
古い家を貸すときによくある質問
古い家や築古の空き家を賃貸に出す際には、「築年数が古くても貸せるのか」「どこまで修繕すればよいのか」など、さまざまな疑問が生じます。
ここでは、古い家を貸すことを検討している所有者からよくある質問を紹介します。
Q. 築50年以上の古い家でも賃貸に出せますか?
築50年以上の家でも、建物の状態によっては賃貸に出せる可能性があります。
築年数だけで賃貸できるかどうかが決まるわけではありません。屋根や外壁、構造部分、給排水設備、電気設備、水回りなどを確認し、入居者が安全に生活できる状態かどうかを判断することが重要です。
特に古い住宅では、耐震性や雨漏り、シロアリ、配管・電気設備などに問題がないかを確認し、必要に応じて専門家による点検を検討しましょう。
Q. 古い家はリフォームしないと貸せませんか?
古い家だからといって、必ずしも全面的なリフォームが必要になるわけではありません。
まず優先したいのは、雨漏りや漏電、給排水設備の不具合など、安全性や日常生活に支障を及ぼす部分の修繕です。
内装や設備をどこまで新しくするかについては、周辺の家賃相場や想定する入居者、修繕費とのバランスを考えて判断します。物件によっては、DIY型賃貸借を取り入れて貸主と入居者の改修範囲や費用負担をあらかじめ決める方法もあります。
Q. 古い家を貸す前に最低限どこを修繕すればよいですか?
まずは、入居者の安全や生活に直接関わる箇所を優先して確認します。
屋根や外壁の破損、雨漏り、床の沈み、給排水設備、電気設備、キッチン・トイレ・浴室、給湯・換気設備、防火設備などが主なチェックポイントです。
築年数だけを基準に修繕範囲を決めるのではなく、建物の状態を確認したうえで、必要性の高い箇所から優先順位を付けることが大切です。
Q. 相続した古い実家をそのまま貸すことはできますか?
相続した実家も賃貸住宅として活用できる可能性がありますが、まずは登記名義や権利関係を確認する必要があります。
相続登記は2024年4月1日から義務化されており、相続登記が済んでいない場合には手続きが必要になることがあります。また、複数人の共有名義になっている場合や、土地と建物の所有者が異なる場合などは、賃貸に出す前に権利関係を整理しておくことが重要です。
権利関係が複雑な場合には、司法書士などの専門家への相談も検討しましょう。
Q. 古い家を貸す場合、普通借家契約と定期借家契約のどちらがよいですか?
どちらが適しているかは、所有者がその家を将来どのように利用したいかによって異なります。
長期間にわたって安定した賃貸を考えている場合は、普通借家契約が選択肢になります。一方、数年後に自己利用や売却、建替えなどを予定している場合には、契約期間の満了により更新されることなく終了する定期借家契約を検討する方法があります。
それぞれ契約上のルールが異なるため、将来の活用方針まで考えたうえで契約形態を選ぶことが大切です。
Q. 古い空き家を貸すための改修に補助金は使えますか?
国や自治体の補助制度を利用できる場合がありますが、すべての古い空き家が対象になるわけではありません。
例えば、住宅セーフティネット制度では、一定の要件を満たす住宅について、住宅確保要配慮者向け住宅として活用するための改修費などが支援対象となる場合があります。
また、自治体独自の空き家改修・活用に関する補助制度が設けられている場合もあります。対象となる住宅や工事内容、補助額、募集期間などは制度によって異なるため、実際に改修を始める前に、物件所在地の自治体や国土交通省などの最新情報を確認しましょう。
まとめ
古い空き家でも、建物の状態や権利関係、耐震性や設備を丁寧に確認すれば、賃貸として十分に活用できる可能性があります。
修繕費や想定家賃、税金、公的制度などを総合的に比較することで、放置するより賃貸活用した方が所有者の負担を抑えられる場合もあります。
当社では、空き家所有者からのご相談を受け、物件の状況や所有者のご希望を確認しながら、一般賃貸だけでなく住宅確保要配慮者向けの住まいとしての活用も含め、空き家の活用方法をご提案しています。必要に応じて関係する専門家や事業者とも連携しながら、賃貸活用に向けた検討をサポートします。
「この古い家も貸せるのか知りたい」「どこまで直せばよいか分からない」とお悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

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